カノムジーン (ขนมจีน) とは、米粉から作る麺で日本の「そうめん」に似ています。この麺を使った料理の総称もカノムジーンと呼ぶのです。いろいろな「つけ汁=麺スープ」と一緒に食べるのが一般的。この「麺スープ」は、いろいろなスープやカレー、さらには、ソムタムのお汁まで幅が広いのです。なお、基本的に辛いスープが多いですよ。55555 ...

カノムジーンは、街中や大きめのフードコート内の専門店が多いと思います。中にはカノムジーン(麺)を作っている作業風景を見れる専門店もあったりします。なお、あまり多くはないですが、街中には屋台もあります。
料理の総称としてのカノムジーンは、店側で用意してある「麺スープ」を指定して注文します。大きな店の場合、数種類の「麺スープ」があることも ...
カノムジーンと「麺スープ」が入った器を受け取るのですが ... 非常に面白いのが、付け合わせの生野菜の種類が豊富で、各自で好きな生野菜を好きな量だけ器の中に入れることができるのですよ。この付け合わせの生野菜は、店により違いがありますが、店側の専用スペースに用意されているので取り放題/食べ放題なのです。
以下の写真は、とあるフードコートにあるカノムジーン専門店の様子。


以下の写真は、屋台のカノムジーン専門店の様子。


とのことで ...
今日の夕食は、何度も通っているカノムジーンの屋台。まず、この屋台の説明。
数種類のスープとカノムジーンが袋詰めされて用意してありますので、即テイクアウトが可能です。

即テイクアウトが可能
そして、テーブルが用意されているでその場で食べることも可能です。この屋台の特徴は取り放題の生野菜がテーブルの上にあること。生野菜の置いてある専用スペースまで席を立って行く必要がないので嬉しいかぎり ...
この日の私の注文はカノムジーン・ナムヤー (ขนมจีนน้ำยา) です。
以下の写真は、私の注文したカノムジーン・ナムヤーと取り放題の生野菜。

カノムジーン・ナムヤーとは、スープで茹でた魚を一度取り出して、身をほぐし、形がなくなるまでクロックで潰した魚肉をスープに戻し入れて作るのです。味は、ココナッツミルクを使ったイエローカレー系、またはレッドカレー系で、代表的なカノムジーンの麺スープです。クロック (ครก) とはタイの調理器具の石臼のこと。

魚のすり身の団子が入っていることが多い
一般的には、キャベツの千切り、生モヤシ、キュウリの輪切り、タイのささげ豆などなど ... さらにタイの高菜の漬物 パッカードーン (ผักกาดดอง) もあったり ... そして、外せないのがタイのレモンバジルであるメンラック (แมงลัก) ですね。


以下の写真が、生野菜の初回分。後でお代わりもいただきました。55555 ...

以下の写真が嫁の注文したカノムジーン・ナムギャオ (ขนมจีนน้ำเงี้ยว) です。 ギャオ (Ngiao) は鼻音。タイ北部地方のカノムジーンなのですが、この屋台のメニューにはカノムジーン・ナムギャオがあるのです。

タイ北部地方で一般的に食べられているナムプリック(ディップ)にナムプリックオーン (น้ำพริกอ่อง) があるのですが、このナムプリックオーンをスープ仕立てにした感じの「麺スープ」です。トマトを使っていますので、ほどよい酸味があります。ナムプリックオーンについては [タイ料理 ナムプリックオーン] を参照願います。タイ北部地方の料理ですので、ココナッツミルクは使いません。なお、鶏の血豆腐のルアットガイ (เลือดไก่)、または豚の血豆腐のルアットムー (เลือดหมู) が入っていることが多いですね。
そして、非常に特徴的なのが、 タイ語でニョウ (งิ้ว) と言うキワタ(木棉:Bombax ceiba)の花の雄しべを乾燥させたドークニョウヘーン (ดอกงิ้วแห้ง) なるものを入れるのです。ドーク (ดอก) は「花」、ヘーン (แห้ง) は「乾燥」の意味。ニョウ (Ngiw) は鼻音。一説によると ... このニョウが、後にギャオ (เงี้ยว) に変化したらしい。なお、タイ北部地方では、ドークニョウヘーンを使うゲーン(煮込み料理)が他にもあるようです。

このカノムジーン・ナムギャオですが、バンコクでは、カノムジーン専門店なら必ずある「麺スープ」ではないかもしれません。タイの北部地方の料理を提供するレストランなら高い確率であると思います。何故かと言えば、タイの北部地方の代表的な麺料理の一つだからです。
さてさて ...
以下の写真は、カノムジーン・ナムギャオ専門店のカノムジーン・ナムギャオの様子。店主によれば、チェンライの下に隣接するパヤオのスタイルで、チェンライのように甘くないとのこと。

さすが専門店のカノムジーン・ナムギャオ。トロトロに煮込んである豚のスペアリブと鶏の足「もみじ」が入っているのです。


なお ...
カノムジーンの代表的な麺スープに、グリーンカレーがあります。鶏肉のグリーンカレーが圧倒的に多いですね。グリーンカレーは、タイ語でゲーンキアオワーン (แกงเขียวหวาน) と言います。だから、グリーンカレーのカノムジーンは、カノムジーン・ゲーンキアオワーン (ขนมจีนแกงเขียวหวาน) です。

(カノムジーン・ゲーンキアオワーン)
さらに、鶏の足「もみじ」を使ったグリーンカレー、ゲーンキアオワーン・ティンガイ (แกงเขียวหวานตีนไก่) も人気があるのですよ。ティンガイ (ตีนไก่) とは、鶏の足「もみじ」のことです。このカノムジーンは、カノムジーン・ゲーンキアオワーン・ティンガイ (ขนมจีนแกงเขียวหวานตีนไก่) ですね。

(カノムジーン・ゲーンキアオワーン・ティンガイ)
カノムジーンは、グリーンカレー、レッドカレー、イエローカレー、マッサマンカレー、パネーンカレーなどなど、いろいろなカレーとの相性がバツグン。便宜状カレーと呼んでいますがタイ語でゲーン (แกง) と言います。ゲーンとは煮込み料理の総称なのですよ。
カノムジーン(麺)は、街中の屋台やタラート(ローカルマーケット)などで簡単に見つけることができます。そして、おかず屋台には、いろいろなカレーが売っています。貴方好みのカレーでカノムジーンをどうぞ!! タイでは普通の事 ...

こぼれ話
以下の写真が、キワタの花とその雄しべを乾燥させたドークニョウヘーン。トン・ニョウ (ต้นงิ้ว) で検索するといろいろな情報が見つかるのですが、花、樹皮、根などキワタの木の全てが漢方薬の材料のようですね。傷、やけど、鎮痛、かゆみ止め、解熱などなど ...
興味のある方は、各自で調べてみてくださいね。トン (ต้น) とは「木」の意味。


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