クイッティオ屋のクイッティオトムヤム トムヤムって何?

クイッティオトムヤムのアイキャッチ タイ料理

 先日、日本からバンコクに遊びに来た知り合いの日本人のと会話の中で ...
「クイッティオトムヤムのスープはトムヤムクンのスープだよね?」と問いかけられた。トムヤムと聞くと、どうしてもトムヤムクンを連想してしまうようだ。

いろいろなスタイルのクイッティオ屋があって店ごとに作り方や仕込み方が違うとは思うが、屋台も含め一般的なクイッティオ屋のスープ鍋は一種類しかない。トムヤムクンのスープのような辛いスープ鍋はないのだ。しかし、メニューには辛くない普通の澄んだスープのと辛いスープのトムヤムがある。

まずは ...
とあるクイッティオ屋を例にしてクイッティオトムヤムを見てみよう。
以下の写真が注文したクイッティオトムヤム。全体を満たしているスープは普通の澄んだスープなのだ。なお、スープのダシは豚ガラが多いと思う。

クイッティオ屋のクイッティオトムヤム
クイッティオ屋のクイッティオトムヤム

以下の写真は、どんぶりの中央部を拡大した様子。何やら唐辛子色の液体が見える。

どんぶりの中央部を拡大した様子
何やら唐辛子色の液体が見える
どんぶりの中央部を拡大した様子
何やら唐辛子色の液体が見える

以下の写真は、その唐辛子色の液体を含め全体をよくかき混ぜた後の様子。かき混ぜるとスープ全体の色が赤く染まるのだ。

唐辛子色の液体を含め、全体をよくかき混ぜた後の様子
唐辛子色の液体を含め、全体をよくかき混ぜた後の様子

想像通り、唐辛子色の液体がトムヤムの素なのだ。トムヤムの素の作り置きを用意している店では客側に混ぜさせるのだ。作り置きを用意していない店は注文の度に麺スープからトムヤムスープを作ることになるので、混ぜだ状態で提供される。

ここで、このクイッティオ屋の注文システムを確認しよう。
一般的なクイッティオ屋と同じで、麺種とスープの組み合わせで注文する。麺は、太麺のセンヤイ (เส้นใหญ่)、細麺のセンレック (เส้นเล็ก)、極細麺のセンミー (เส้นหมี่)、そして中華麺のバミー (บะหมี่) がある。
そして、スープは3種類。
 1. ルークチンナムサイ (ลูกชิ้นน้ำใส)
 2. トムヤム (ต้มยำ)
 3. イエンタフォー (เย็นตาโฟ)
ルークチンナムサイ (ลูกชิ้นน้ำใส) が普通の麺スープ。ルークチン (ลูกชิ้น) とは「つくね団子」のこと、ナムサイ (น้ำใส) とは「澄んだスープ」を意味する。このルークチンは、トムヤムやイエンタフォーにも入る。言い換えると、ルークチンが入っていないクイッティオは、まず無い。一般的にルークチンナムサイは「ナムサイ」で通じる。またスープを「指定しない」なら「ナムサイ」と見なされるだろう。メニュー名にはルークチンナムサイと書かかれていることが多いかもしれない。

話をまとめると、ナムサイの麺スープにトムヤムの素を入れればトムヤム、イエンタフォーの素を入れればイエンタフォー。イエンタフォーは、イエンタフォー屋台を参照願う。

さて、このトムヤムの素の正体は ...
一般的にトムヤムの素は、粉唐辛子、酢(マナーオ絞り汁含む)、砂糖、ナンプラーから作られる。なお、砕いたピーナッツを入れることが多いかもしれない。それらの割合は作り手次第。これはサラダ系料理であるヤム (ยำ) のドレッシング、ナムヤム (น้ำยำ) を作る基本材料とも同じだ。ヤム (ยำ) とは「サラダ/和える」を指す。タイ人の大好きな辛味、酸味、甘味、塩味の味構成である。そして、トム (ต้ม) とは「煮る/茹でる」の意味。ヤム味の温かいスープなのでトムヤムなのだろう?

次に ...
とあるナムサイのスープしかメニューに無いクイッティオ屋を見てみよう。
以下の写真が注文したクイッティオナムサイ。もちろん、全体を満たしているスープは普通の澄んだスープ。古くからやっている店で客も多い人気店。おばあさんが一人で切り盛りしているのだ。

クイッティオナムサイの様子
中央に乗っているのは油で揚げたニンニク
クイッティオナムサイの様子
中央に乗っているのは油で揚げたニンニク

以下の写真は、テーブルの上の調味料セットの様子。左からナンプラー、砂糖、砕いたピーナッツ、粉唐辛子、輪切り唐辛子入りの酢。

調味料セット
テーブルの上の調味料セットの様子

想像通り、このテーブルにあるものをすべて入れれば、トムヤムの素と同じだろう。周りの客を見ると唐辛子も砂糖も ... 爆入れ。自分なりのトムヤムを堪能しているのだ。

クイッティオナムサイ
テーブルにあるものをすべて入れれたクイッティオナムサイ

分かったと思うが、トムヤムは、ナムサイからでも自分好みの味のトムヤムに変えることができるのだ。店のメニューにあるトムヤムとは、これらの調味料を使って店側が用意してくれただけである。だから、ナムサイとトムヤムの値段は同じはず。なお、店が用意したトムヤムでもテーブルの上の調味料を使って味を調整し直すのがタイスタイル。味の決定権は食べる側にあるのがクイッティオなのだ。

最後に ...
クイッティオの中に入る具、スープの味は店により違いがあるが、クイッティオトムヤムは、一般的には結構辛い。辛くなければトムヤムとは呼べないのだ。辛味に耐性のない方は、トムヤムの注文は控え、ナムサイとテーブルの調味料で自分なりのトムヤムを ...

こぼれ話(トムヤムクン)
トムヤムクンのスープには、ナムサイ (น้ำใส) とミルク仕立てのナムコン (น้ำข้น) があるが、ざっくり説明すると …
まず、ナムサイとは、タイ生姜のガランガル、コブミカンの葉、レモングラスの香味野菜、キノコ類、そしてエビの頭で取っただし汁にナンプラーとマナーオの絞り汁を加えパクチーを浮かべたスープ。辛味は粉唐辛子は使わず、生の唐辛子を使う。そして、ナムサイにナムプリックパオとエバミルクをプラスするとナムコンになる。トムヤムクンとは、香味野菜とエビの風味を楽しむスープなのだ。

香味野菜のトムヤムスープセット
ガランガル、コブミカンの葉、レモングラスの3種
香味野菜のトムヤムスープセット
ガランガル、コブミカンの葉、レモングラスの3種

高級レストランや一部のクイッティオ屋には、立派なエビを使った値段の高いクイッティオがあるとは思うが、庶民感覚からはかけ離れているだろう。トムヤムクンが世界三大スープの一つと言われているために、騒いでいるのは観光客なのだ。トムヤムクン自体が日常的に食べられてはいないし、特に人気がある料理ではないのだ。人気があるトムヤムクン味の麺料理と言えば、それはインスタントラーメン。